5章、人類発祥の地を目指して

エチオピア(1994年)

チオピアの地形はまことに変化に富んでいる。中央の2000〜3000mの高原地帯には南北にアフリカ大地溝帯が走り、東西に分断されてできた巨大な谷は雄大な景観をつくり、迫力あるものである。このような地球創生を感じさせる地質から、エンジンから人類の起源に最も近いといわれる。6億年前のラミダスの化石が発見されていて、人類の誕生はアフリカの地であることを知った。

類が誕生したアフリカ大地を旅しながら、人間の歴史は戦争の歴史であると。今なお地球から争いは絶えることはない。戦争の恐ろしさ、愚劣さ、無意味さを痛感しながら、やはり繰り返しているのである。はたして人間は進化しているのであろうか。地球のいたるところで内戦、内乱、民族の抗争は続いている。人類が誕生し進化の過程での、強い民族が弱い民族を征服する歴史の筋書きは続いているのである。この戦争の愚劣さを知りながらも科学の探究はめざましく進み、化学兵器「核」を持ってしまったのである。核戦争による大量虐殺の危険は高まりながら、はたして回避できる道はあるのであろうか。

ぼくは小学校に入学した、その年の8月6日に原爆は広島市に投下された。少年が目にした光景は、焼けただれたケロイドのおばさんの顔であり、近所のお兄さんの真っ赤に焼けた背中を目にしたときの原爆の恐怖であった。父も放射線を浴び、何日も体のけだるさを口にしていた。